時計ブランド事典

ロレックスなどの有名ブランドからパテック・フィリップなどの時計ブランドの創業年、創業者から各ブランドの略歴まで詳細解説。

時計用語解説

クオリティの証明関係用語

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■ジュネーブ・シール
機械式時計の高品位を証明するスイスの公的認証で、品質証明のなかでも、最も希少価値の高い最高の認定基準です。他の検査とは違い、制度のみならず、ムーブメントの製造方法や、各部品の仕上げなどの細部までの品質管理がメインとなっています。1868年にスイス共和国とジュネーブ州によって制定されました。それから幾度かの改訂が行われていますが、時計製造に関わる細かな12の設定条件が設けられており、条件の一つに、組み立てと調整はジュネーブ州内で行わなければならないとある為、現在ジュネーブシールの認可を受けているのは、パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンチン、ショパール、ロジェ・デュブイの4社がほとんどとなっている。その中でも、パテック・フィリップは、徹底してジュネーブ・シールを準拠した製作を行っているため、無条件でジュネーブ・シール刻印される唯一の存在となっています。

■クロノメーター証明書
スイスの公的機関であるスイスクロノメーター検定協定(C.O.C.S)によって実施されているムーブメントの精度の検定規格で、15昼夜に及ぶ厳しい検査を受け、5つの姿勢と3つの温度の中で精度が測定され、基準をクリアしたものに証明書が与えられる。ブライトリングは1999年、前人未到の全モデルのクロノメーター化を目指す「100%クロノメーター宣言」を発表し2001年には全モデルが、スイスクロノメーター検定協会(C.O.S.C)公認クロノメーターとして認められています。

■ブサンソン規格
フランスの国立ブサンソン天文台で行われていた精度の検定規格で、現在ではフランス工業省管轄のCETEHORという時計製品の品質向上を目的とした研究所が検査を行っています。現在、この検定規格を取得しているのは、アラン・シルベスタインやロジェ・デュブイなどの時計ブランドが有名です。

■GS規格(グランドセイコー)
セイコーが自社の機械式時計であるグランドセイコーに行っている検定規格で、ムーブメントに6つの姿勢、3つの温度の中で精度が測定され、基準をクリアしたものだけ出荷されます。あくまでも民間会社であるセイコーが自社のクオリティの向上のためだけに行っているものであり、クロノメーター証明書以上に厳しいといわれています。

■マスター1000コントロール(ジャガー・ルクルト)
1000時間にわたって、振動、防水、加圧、耐磁、温度差、姿勢差などのさまざまな検査を繰り返すジャガー・ルクルトが行っている精度検査で、ただムーブメントだけで行われるのではなく針や文字盤が付いた完成品で行われます。このジャガー・ルクルト独自の検査に合格した時計にはゴールドプレートと呼ばれるシリアルナンバー入りのケースバッグがつけられ、精度が保証されます。

時計の構造関係用語

■永久カレンダー(パーペチュアル・カレンダー)(Perpetual Calendar)
閏年にも対応した永久カレンダー機構のことで、アブラアン・ルイ・ブレゲが1795年に発明したメカニズムです。このほかに西暦2499年までプログラムされた超永久カレンダーというものがあり、1985年に発表されたIWCの「ダ・ヴィンチ」に搭載されている。また、セミ永久カレンダーというのは、閏年の調節だけが必要なもので、4年に一度の修正が必要。

■トゥールビヨン(tourbillon)
ツールビロン・タービロンとも言われますが、1795年に天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲが発明した画期的な調速機構のことで重力によって生じるムーブメントの誤差を補正するシステムの事。現在においても時計構造機構の中でもっとも複雑な機構であり、世界に機械時計職人は多く存在するが、この技術を持った職人はほんの一握りにすぎないくらい難しい機構です。腕時計が世に出てくる前は懐中時計が主流でしたが、懐中時計は胸にしまう際、縦の姿勢になる事が普通であり、それにより動力源であるゼンマイが重力により下側にたるむ事によって、時計を狂わせる原因となっていました。そこで、アブラアン・ルイ・ブレゲは、ゼンマイを調速機ごと一定の早さで回転させて、一カ所に重みがかかるのを防ぐという機構を開発したのです。しかし、その複雑さ故に高度な技術を必要とし、値段が1000万円以上する所以でもあります。現在では、複雑時計の代表的なメカニズムとして、技術力を誇示する目的もあって、様々なメーカーからトゥールビヨンは発売されています。

■ミニッツ・リピータ(Minute Repeater )
ボタンを押すと、時、分の時刻を音の鳴る回数で知らせる機構のことで、もともとは、文字盤が見えない暗闇でも時刻がわかるように音で時刻を知るために装備された機能です。

■ムーンフェイズ
ムーンフェイズとは「月の位相」を意味し、月の満ち欠けを表示する機能の事。月の満ち欠けは、おおよそ29.5日かかります。この周期上での月齢を表示します。時計では、6時位置の扇形の小窓に月の絵があるケースが多く、小窓の中で日の出日の入り状の動きをして、月の満ち欠けが視覚的に分り易い表現をしています。

■クロノグラフ機構
通常の時刻表示のほか、ストップウォッチ機能のついた時計で、積算&記録することができる機能です。中央のクロノグラフ秒針と連動しながら作動する、30分計、12時間計を装備したものが一般的。

その他時計関係用語

■マニファクチュール(Manufacture)
企画、設計、パーツの製造、組み立て、検査、出荷にいたる全工程を完全に自社で一貫して行っている時計ブランドの事。最近ではムーブメント自体を自社で製作している場合をさす場合もある。

■クォーツ・ショック(Quartz Shock)
水晶は電圧をかけると一定サイクルで振動します。その水晶発振器の信号をステッピングモーターに与えることで、1秒ごとに秒針を回す原理で、この原理自体は第二次世界大戦以前に考案され、天文台などの大型置時計は古くから存在していましたが、ジラール・ペルゴが、1969年に腕時計用クォーツの開発に成功しました。しかしながら、その年の12月にセイコーが世界初のクォーツ腕時計(水晶発振式腕時計)「アストロン」を発売します。翌年にはジラール・ペルゴがスイス初のクォーツ時計の量産に成功しました。製品化世界初というタイトルはセイコーに譲りましたが、ジラール・ペルゴが採用した周波数32,768Hzは世界規格となりました。それ以前の機械式や電池式の腕時計は、秒針が連続して滑らかに動くスウィープ運針でしたが、クォーツ時計では省電力のために、秒針が1秒刻みで動くステップ運針となり、容易に見分けることができます。機械式やそれ以前の各種電池式に比べて圧倒的に誤差が少ないことからクォーツ腕時計は1970年代に市場を席巻した。その結果スイスなどの高級機械式腕時計ブランドは壊滅的な打撃を受け、経営危機から事業縮小や工場閉鎖に追い込まれたり、買収されるなどされ、20世紀半ばまで全盛を誇ったアメリカの時計メーカーはほぼ全滅しました。これを「クォーツショック」といいます。余談ですが、最初にクォーツ時計を開発したジラール・ペルゴ自体も日本製のクォーツ時計に市場が押され、苦しくも経営危機となってしまいました。それほどこの日本製のクォーツ時計の正解市場における規模が大きくなったのです。

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公開日:
最終更新日:2015/10/01